青森家庭少年問題研究会学生部会(弘前大学サークル)





(写真提供:東奥日報社)




(弘前大学メールマガジン2004年10月号より)

◆今、この部活動・サークルがおもしろい 第7弾◆
「青森家庭少年問題研究会学生部会」の活動に迫る

 今回ご紹介するサークルは、今年の4月に結成された「青森家庭少年問題研究会学生部会」です。
 みなさんは、罪を犯し、現在試験観察中となっている少年に対し、学習支援を行う「学生ボランティア」の存在を知っていますか。
 普段、裁判官などの、特定の人のみと接する機会しかない少年達にとって、少しでも年齢が近い人々との交流はとても大事であるとともに、少年達の更生を手助けする上でも、「学生ボランティア」の存在は非常に重要であると考えられています。
 各地でこのような「学生ボランティア」の存在が注目されている現在、弘前大学においても、この分野を研究するサークルが設立されました。それでは実際にどのような活動を行っているのでしょうか?部長である小林史明さん(人文3年)に突撃インタビューを行いました。

○「青森家庭少年問題研究会学生部会」はどのような方々で構成されているのですか。

 現在の部員数は33名です。また、このサークルに所属している学生のほとんどが、人文学部の村田先生のゼミ、もしくは教育学部の宮崎先生のゼミに所属しています。
 さらに、私達「青森家庭少年問題研究会学生部会」の親的な団体として、村田先生や宮崎先生、平野先生はもちろん、弁護士の方や、他大学の先生方など、多くの方が参加されている「青森家庭少年問題研究会」があります。

○このサークルは普段どのような活動をしているのですか

 二ヵ月に一回のペースで、学習会を開いております。
 さらに今年は、二人の学生が実際に、試験観察中の少年に対し青森県で初めての学習支援活動を行いました。少年達は普段、自分達と年齢が近い人々との交流がありません。そのため、大学生という、比較的年齢が近い私達と交流することで、少年達に良い刺激を与えることができると考えます。
 この「学生ボランティア」については難しい問題もたくさんありますが、これからもこの「学生ボランティア」を定期的に継続していけるよう、がんばりたいと思います。

○なぜこのような団体を立ち上げようと思われたのですか?また、このような取り組みは各地で行われているのですか?

 少年達と比較的年齢が近い立場から、試験観察中の少年達に対し何かできることはないか、と考えたのがこのサークルの設立の第一理由です。そして、弘前大学の設備をフル活用し、活発な活動をするために、弘前大学公認のサークルを設立することになりました。
 日本各地でもこのような動きは見られますが、総合大学の公認サークルとして活動しているのは、このサークルが初めてです。

○学生ボランティアが非行少年の更生を手伝う上で、必要とされることは何でしょうか?

 自然体で少年達に接することが非常に重要です。試験観察中の少年だ、と考えすぎて、こちらが構えてしまってはいけません。また、あまりにも力が入りすぎて、上からものを言うような態度で接してはいけません。あくまでも自然体で接することが重要です。こちらからそのような態度で少年に接することで、少年もしっかりとした態度で応えてくれます。
 自然体で接することで、少年達とよい関係を築くことができ、その結果私達も、少年達から学ぶことが多くあります。

○これからのこの団体の展望などがあればお願いします。また最後に一言お願いします。

 「青森家庭少年問題研究会学生部会」としての研究を進めると同時に、今回始めて行った「学生ボランティア」を、今後も継続していけるようがんばっていきたいと思います。
 また、このサークルの顧問をされている村田先生は、多くの学生にこの「学生ボランティア」について興味を持ってもらいたい、とおっしゃっていました。
 最後に一言ですが、随時サークル部員を募集しています。学部、年齢は問いません。興味がある方はぜひ一度、見学に来てください。この「学生ボランティア」を通じて、自分自身を大きく成長させることができると思います。お待ちしています。
 ありがとうございました。





  主な活動内容


 ○学習会の開催

   ・2005年12月14日(水) 青森地方検察庁弘前支部「裁判員制度出前講座」

   ・2006年6月24日(土) 午後3時〜4時 (於 弘前大学総合教育棟2階大会議室)

      山本毅(青森家庭少年友の会)「家庭少年友の会の組織と役割」
      斉藤紀(青森家庭少年友の会)「少年事件付添人活動について」     

   ・2007年3月7日(水) 午後4時〜7時 (於 弘前大学総合教育棟2階大会議室)  写真 (学習会後の4年生送別会兼懇親会)

      小林史明(人文学部4年)「少年司法手続における学生ボランティアの役割」 午後4時10分〜4時50分
      木村真梨子(人文学部4年)「触法精神障害者の処遇の一考察 −心神喪失者等医療観察法を中心に−」 午後4時50分〜5時30分
      村田輝夫(関東学院大学法科大学院教授、前弘前大学人文学部教授)「法科大学院の現状と課題」 午後5時30分〜7時


 ○施設見学

   ・2005年8月11日(木) 青森少年院、青森県児童自立支援施設「みらい」、青森刑務所、青森少年鑑別所、青森中央児童相談所

   ・2006年8月2日(水) 青森県児童自立支援施設「みらい」、青森少年院


 ○模擬裁判の開催(弘前大学学園祭(例年11月初旬)にて実施、教育学部宮崎ゼミナールとの共催)

   ・2005年度 「高1同級生いじめ殺人事件」

   ・2006年度 脳死の判定をめぐる模擬裁判員裁判


 ○青森県BBS連盟との連携(予定)




  ・メンバー

     弘前大学教育学部、人文学部学生、大学院生ほか30数名


  ・関連文献

     小林史明「少年司法手続における学生ボランティアの役割」(2006年度卒業研究) pdf 

     

teens & law (青森家庭少年問題研究会学生部会サイト)

青森家庭少年問題研究会